【将来性は?】webマーケティング用語集【アドテクに関する用語編】
アドテクってなんだろう?
もうタイトルから何の話??って感じですよね。
これから勉強する方もすでにマーケティングを勉強している方も、もしかしたら聞きなれない言葉かもしれません。
アドテクとは、広告配信の効率を上げるためのシステムです。
アド(広告)+テク(テクノロジー)を合わせた造語で、広告配信を高度にシステム化したもの全般を指してアドテクと言います。
一昔前のマーケティングは、広告メディアに直接広告を入稿し掲載してもらわなければなりませんでした。
ですが、アドテクが開発され、ユーザーにマッチする広告を複数のメディアに自動的に表示することが可能になりました。
これによって広告配信の最適化や工数の削減などの効率が大幅に向上し、結果、『広告主とメディア双方の広告収益最大化』を実現することができました。
つまり
広告主側:広告配信効果最大化を目指し、最適な人・場所に広告を配信する。
メディア側:広告掲載効果最大化を目指し、最適な人に広告枠を買ってもらう。
上記を目的としたシステムで、広告主とメディアのwin-winな関係性を構築するためのモノです。それではアドテクに関する用語を紹介していきましょう。
※これまでに解説してきた記事もあわせてご確認ください!
【基礎!】webマーケティング用語集【Webマーケティング一般用語編】 - WEBマーケティングのススメ
【測定!】webマーケティング用語集【Webマーケティング効果指標編】 - WEBマーケティングのススメ
- アドネットワーク
アドネットワークとは、広告媒体のWebサイトを多数集めて形成される広告配信ネットワークのことです。多くのWebサイトを媒体とすることで、多くのトラフィック量(ネットワーク上でやりとりされる情報)を確保することができます。
- アドエクスチェンジ
アドエクスチェンジとは、広告枠をインプレッションベースで取引する広告取引市場のことです。広告主側の需要とメディア側の供給のバランスにより、インプレッション毎に広告枠の価格決定がされます。
- オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングとは、オーディエンスデータ(Cookie のデータを元に、購入履歴や属性データ、位置情報などを組み合わせた、広告を受け取る個人を特定しない「人」を想定するデータ)を用いたターゲティング手法です。
- DSP(Demand-Side Platform)
DSPとは、複数のアドネットワークや、複数のアドエクスチェンジに広告配信を行なう、広告配信プラットフォームです。SSPと接続することで、広告配信が可能となります。
DSPは「頭脳」であり、広告在庫買い付け、広告配信、掲載、クリエイティブ分析、入札単価調整、オーディエンスターゲティングetc…
広告主のためにあらゆる最適化をシステマティックに行います。
ただし、利用料が発生するので、アドエクスチェンジやアドネットワークを手動運用するのと、DSPで半自動運用するのとを比較し、どちらが費用対効果が良いか見定める必要があります。
- SSP(Supply-Side Platform)
SSPとは、上記DSPとは逆に、媒体側の収益を最大化させるためのプラットフォームです。インプレッション毎にeCPMを算出し、1番高額と判断された広告が配信される仕組みです。実際は必ずしも入札額が高い広告が選ばれるわけではなく、ビットレスポンスの速さ、CVR(コンバージョン率)などが関係する場合もあります。
- 3PAS(第三者配信)
3PAS(第三者配信)とは何か説明する前に、補足として3PAS(第三者配信)には2つの意味があります。
アドネットワークもアドエクスチェンジもDSPも媒体に直接広告を配信せず、アドサーバーという第三者を介して広告を配信するという意味の第三者配信(3rd Party Ad Serving)があり、これを広義の第三者配信としています。
もう1つは、複数のメディアの広告を一括管理して配信・効果測定を行うアドサーバー(第三者配信アドサーバー)、つまりサーバー自体のことを指す場合もあります。
後者の第三者配信は、DSPやアドエクスチェンジと違って、広告枠の買い付けや配信のオプティマイズ機能などはありません。
- RTB(Real Time Bidding)
RTB(リアルタイム入札)とは、アドエクスチェンジなどの広告取引市場で、広告枠のインプレッションが発生するたびに入札を行い、最も高い金額をつけた購入者の広告を表示する方式です。
セカンドプライスビッディングという方式が多く、この方式では、入札に勝利した場合、入札額ではなく2位の入札額+1円が落札額となります。これは落札額が無暗に高くならないようにするためです。メディアはフロアプライス(最低入札額)を設定でき、落札できなかったインプレッションを純広告などの他の広告枠に利用することも可能です(フロアプライス以下の入札しか無かった場合は、広告が配信されない)。
セカンドプライスビッディングにおいて、フロアプライス以上の入札が1件だった場合、落札価格はフロアプライス+1円になります。
- DMP(Data Management Platform)
DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)とは、インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォームのです。
大きく2種類に分類され、1つは広告配信先のデータセラー(記憶媒体お預かりサービス)としての機能を果たすタイプの「オープンDMP」
もう1つは企業が自社で蓄積したWebログや顧客DBなどの蓄積したデータを利用するタイプの「プライベートDMP」です。
- CDP(Customer Data Platform)
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは、顧客毎の属性データ・行動データを収集・蓄積・統合するためのデータプラットフォームです。キーが『顧客個人』であることが特徴で、Web訪問履歴を代表とするログデータに限らず、オフラインの購買情報や位置情報、アスキングデータ、IoT対応の製品から得られるデータなども収集、統合します。DMPが収集してきたサードパーティデータも含まれます。
DMPとCDPに機能的な差はなく、DMPを拡張し上記の機能を有することも可能です。
- PMP(Private Market Place)
PMP(プライベートマーケットプレイス)とは、参加できる広告主とメディアが限定されたプログラマティックな広告取引市場のことです。
プログラマティックな広告取引は、RTB(オークション)か否かで分かれます。そこからさらに、RTBの場合は参加方法がオープン/クローズかで分かれ、Non-RTBの場合は在庫予約のあり/なしで分かれます。
- プライベートエクスチェンジ(Private Exchange)
プライベートエクスチェンジ(Private Exchange)とは、上記のオークションが発生しない固定単価制のマーケットです。
- Invitation Only Auction
Invitation Only Auctionとは、上記のオークションのクローズドオークションのことです。
- Unreserved Fixed Rate
Unreserved Fixed Rateとは、上記のオークションが発生しない固定単価制の取引方式のことです。 Invitation Only Auctionと同様、CPMを高くすることで、RTBに広告枠が流れる前に買い付けることが可能です。
- Automated Guaranteed
Automated Guaranteedとは、上記の固定単価かつ在庫予約の取引方式のことです。品質の高い広告枠を他のマーケットよりも先に購入できます。その分、先行する海外市場の事例では、CPMがオープンなRTBと比べて、数倍~10倍以上にもなります。
- コンテキスト広告
コンテキスト広告(コンテクスチュアル広告)とは、Webページのキーワード、文意、画像などをAIが自動で解析し、文脈に合った広告を配信する手法です。また、コンテンツの文脈に沿ったキーワードでターゲティングを行うことを、コンテキストターゲティング(コンテクスチュアルターゲティング)と言います。
- アドベリフィケーション
アドベリフィケーションとは、DSPなどを使って配信した広告が、広告主のイメージ低下を招くようなサイトに配信されていないか、ユーザーが認識できる場所にちゃんと掲載されているかなどを確認し、配信をコントロールするツールです。
- アトリビューション分析
アトリビューション分析とは、直接コンバージョン以外の間接コンバージョン(ビュースルーCVや広告クリック後 → 離脱 → 別経路からのCV)も含めて、コンバージョンを目的とした広告の貢献度を正当に評価するための分析手法です。
アドテクがまだ普及していなかった頃、Webマーケティングの効果測定は最後に接触した広告しか評価できず、その前に接触していた広告やSEOの効果が見えていませんでした。
アトリビューション分析については様々なモデルがあり、目的に合った分析手法を選ぶことが重要になります。
- アトリビューションモデル
アトリビューションモデルとは、「成果配分モデル」「ベイジアンネットワークモデル(数理モデル)」「マルコフ連鎖モデル(数理モデル)」「ボルツマンウェイトモデル(統計物理モデル)」などのアトリビューションスコアを算出するための分析モデルです。
- オンラインアトリビューション分析
オンラインアトリビューション分析とは、オンライン施策のみのアトリビューションスコア(コンバージョンへの貢献度)を算出するアトリビューション分析です。
- 統合アトリビューション分析
統合アトリビューション分析とは、TVCMなどのオフライン施策も含めてアトリビューションスコア(コンバージョンへの貢献度)を算出するアトリビューション分析です。
- アトリビューションマネジメント
アトリビューションマネジメントとは、アトリビューション分析の結果、アトリビューションスコア(コンバージョンへの貢献度)に応じて、リアロケーション(予算の再配分)を行うことです。
- インバナーサーベイ
インバナーサーベイとは、広告接触者と非接触者のブランド態度をリアルタイムに比較し、その差異を効果として計測するディスプレイ広告の効果測定手法です。ディスプレイ広告枠に対して、アンケート回答用バナーを配信し回答者を集めます。回答者はバナーの枠の中でアンケートに回答する仕組みになっており、1~3問程度のアンケートが実施できます。
ネットリサーチと比べて、シームレスにディスプレイ広告と連携でき、レポートなどのアウトプットが全てWeb上で閲覧できる点、アウトプットのデザイン性などが優れています。その反面、質問数が少ない点や、回答精度に対する疑問(適当に回答するユーザーが多い可能性)などの課題があります。
- リードバナーアンケート
リードバナーアンケートとは、上記インバナーサーベイと同じく、広告接触者と非接触者のブランド態度をリアルタイムに比較し、その差異を効果として計測するディスプレイ広告の効果測定手法のです。ディスプレイ広告枠に対して、アンケート回答用のバナーを配信して回答者を集めます。
リードバナーアンケートは、アンケート専用の回答ページで回答する点がインバナーサーベイと異なります。これにより回答精度が向上することが期待されています。また、質問数の上限がゆるいことや、通常のネットリサーチと同様のロジック設定やFAの設定ができる点も特徴です。
掲載されるバナーは通常の広告バナーと同様に、クリックして別ページに移動するため、インバナーサーベイよりも回答率が低い傾向(そもそもクリックしない、途中離脱など)にあり、配信コストが増加するという課題があります。
- フリークエンシー
フリークエンシーとは、Web広告とユーザーの接触頻度です。UU(ユニークユーザー)はCookie単位になるので、CookieID毎の接触頻度がフリークエンシーとなります。
- リーセンシー
リーセンシーとは、Web広告と特定ユーザーの接触の間隔です。UU(ユニークユーザー)はCookie単位になるので、CookieID毎の接触間隔がリーセンシーとなります。
- シーケンス配信・シナリオ配信
シーケンス配信・シナリオ配信とは、ターゲットのフリークエンシーをコントロールして、クリエイティブを段階的に切り替える配信手法です。
あるユーザーのフリークエンシーに応じて、クリエイティブA → B → Cと訴求内容を切り替えて広告を表示させることができます。
- ピギーバック(PiggyBack)
ピギーバック(PiggyBack)とは、他のリクエストのレスポンスに便乗して、サーバー側の更新を返すデータ転送方式です。
- PTD(Publisher Trading Desk)
PTD(パブリッシャートレーディングデスク)とは、メディアが提供する広告運用サービスを代行する組織です。トレーディングデスク(運用担当)と言うと、広告主側のイメージの方が強いですが、PTDはメディアの保有データを活用して、メディアの収益を最大化するための広告運用部隊と言えます。メディアのオーディエンスデータを用いて、自社メディアや外部メディアに広告配信を行います。
- AOP(Alliance of Online Publisher)
AOP(アライアンスオブオンラインパブリッシャー)とは、複数のメディアが自社で保有するオーディエンスデータを共有しあうメディア連合(オンラインパブリッシャー連合)です。パブリッシャー・アライアンスとも呼びます。
コンテンツメディアが保有する1st Partyデータは魅力的なデータです。属性データに加え、単なるWebページ訪問履歴でない「どの記事を読んだか(興味を持ったか)」という詳細な興味・関心データもあります。メルマガを購読していれば、ダイレクトにリーチできるメールアドレス情報まであります。
- アドフラウド
アドフラウドとは、広告掲載料を不正に得るために、『bot』と呼ばれる自動化プログラムなどを利用し、インプレッションやクリックを偽装・量産する手法です。
「広告インプレッションが本当に人に見られたものなのか」日本ではまだ課題意識が低いですが、Momentum株式会社など、アドフラウド対策のためのソリューションを提供する国内企業も登場しています。
- エコシステム
エコシステムとは、複数の企業やサービスが繋がり共存する仕組みです。本来は、生態系を表す科学用語ですが、アドテク分野においては広告主からパブリッシャーまでの広告配信の中で、多くのプレイヤーが多種多様なサービスを提供しており、これらが繋がりを持ち、新たな付加価値を生むという構造をエコシステムと表現します。
- DigiTrust ID(デジトラストID)
DigiTrust ID(デジトラストID)とは、IAB Tech Lab傘下の非営利団体「DigiTrust」が提供する、CookieIDの共通化ソリューションです。
DigiTrustに加盟するDSPやSSPなどの事業者は、事業者間で共通のID「DigiTrust ID」をユーザーに発行できるようになります。DigiTrust IDと自社のCookie IDをシンクさせることにより、DigiTrust IDをキーとして、加盟企業同士のデータ連携やユーザーの識別が可能になります。
アドテクは始まったばかり
いかがでしたか?
アドテクはまだ産まれたばかりのシステムです。
広告に精通している方でもない限り、しっかりと理解しているマーケターはとても少ない状態です。
つまり今のうちの理解しておけば、将来的に必ず一歩も二歩も先に進んだ存在になれるという事ですね!
それぞれの用語の意味や詳細についても、今後ドンドン更新していくつもりですのでご期待くださいませ!